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Solo cycling on Rishiri Island

北海道の北部、宗谷郡。稚内からフェリーでアクセスできる利尻島と礼文島。
日本のいちばん北にあるこれらの島々はかつて、
サイクリストなら(たぶん)一度は走ってみたいと思う場所でした。

私もずっとずっと、走ってみたかった。

深田久弥の説いた日本百名山・最北の山として、登山者に人気の高い利尻岳(1721m)
というのも、島サイクリング自体のハードルはさほど高くないのだけれど、
とにかくシーズンが短いんです。

しかも豊富な海の幸の旬と近年の登山ブームで、
ハイシーズンの夏は登山客と観光客で溢れ返ってしまうほどの人気。
宿も限られているので、人気の宿を押さえるのは至難の業です。

かといって9月の下旬には雪が降り始め、
悪天候でフェリーが欠航してしまうこともしばしば。
バスやフェリーの本数も10月に入るとぐっと減ってしまいます。
そして、お休みを取る宿も少なくありません。


スケジュールに余裕のある人ならまだしも、
仕事を休もうと思うと、なかなか予備日をとることができなくて。

だから予備日を取ることができる今回は、ぜひ訪ねてみたかった!
一人旅はちょっぴり寂しいですが、ならではの楽しみもあるもの。


最初に楽しみにしていたのは洋上の夕日。
船酔いするので酔い止め薬は必須なのが悲しいですが、フェリーの雰囲気が好き。
秋の甲板は凍えるような寒さだけれど、
「ああ、これから島に出かけるんだなぁ」と、そんな気持ちが高まります。

島の北部にはサイクリングロードも整備されている
さて! 初日はやっぱり島一周サイクリング。
距離は55kmと比較的お手頃。地図で見る限りアップダウンもそれほどありません。
あとは、島特有の風次第。強風でないことを祈りつつ、いざ出発です。

島を1周すれば、利尻岳をぐるりと360度眺めることができる
まずは利尻富士自転車道からスタート。
 観光用に新設されたサイクリングロードとあって、
風景の変化に富み、適度なアップダウンもあり楽しいです。
夏なら高山植物もきれいだろうなぁ。

展望台から鴛泊の街・ペシ岬を望む

コースの途中には展望も。
島をぐるりと回る海岸線のサイクリングは景色が単調になりがち。
展望でパッと視界が開けるとハッとさせられます。



それにしても、全くサイクリストに出会いません。
オフシーズンの特権だなぁと思いつつ、ちょっと寂しいような?



サイクリングロードから道道へ。
心配していた風も弱く、交通量も少ないので快適です。
ただ……寒い! お天気はいいのに、すごく寒い。


利尻はかつて鰊漁で栄えた島。今も漁で生計を立てている人が多い
今日は島に宿泊予定。フェリーやバスの時間を気にする必要もないので、
あ、いいなと思ったら足を止めて、ぼーっとします。ふふふ。なんて贅沢!

時間もあるので、利尻島郷土資料館へ。
写真やジオラマで近代における開拓の歴史や鰊漁の様子が展示されています。

友人と出かけるときは「走ること」がメインのサイクリングになりがちなので、
一人で出かけたなら、なるべく資料館にも立ち寄るようにしています。
その土地の歴史を知れば旅がより味わい深いものになる、ような気がしませんか?

1913年に建てられた旧鬼脇村の村役場を使った利尻島郷土資料館。往時の雰囲気を今に伝える
ちなみに、利尻島には現在もヒグマは生息していないのですが、
昭和の初めに稚内から泳いできたものが1頭いたそうです。
稚内から利尻島まで20kmはあるのに、びっくり。。


それにしても空が広くて。
空気が冷たくて。(……指先も足先も鼻も痛くて。)
北の島に来たんだなぁって実感します。

「オタトマリ」とはアイヌ語で「砂のある入江」という意味なのだとか
オタトマリ湖にて。
売店のお姉さん曰く、利尻岳が山頂までくっきり見えるのは結構レアなのだとか。
せっかくなので記念に1枚写真を撮っていただいちゃいました。

沼浦展望台でプロポーズをすると、白い恋人のパッケージをあしらったプロポーズ認定証がもらえる
利尻岳は日本人なら誰もが知る(?)銘菓・白い恋人のパッケージに描かれている山。
この場所でプロポーズすると、プロポーズ証明証がもらえるそうです。なんとまぁ。


一人で出かけるとついつい寄り道してしまって、なかなか進まず……。


あっという間に日没間近。
少し前まで日が暮れる前に宿へ戻りたいと思っていたのに、どうしてでしょうね。
夕日を見ると、つい眺めてしまいます。


宿の夕食の時間は迫っているし、ものすごく寒いのに。
早く暖かな宿に戻りたいハズなのに。
風はビュウビュウ吹いて、身体の震えも止まりません。
それなのに気がついたら一人、夕日の見える展望台にいるから不思議です。


宿に戻ると、すでに夕食が用意されていました。
日本の宿って2食付きでお願いできるから嬉しいです。
その土地のものを出してくれることも多いし。

よく一人旅って寂しくない? と友人から聞かれます。
答えは「はい。寂しいです」。

けれどそのぶん、そこで出会う人と話すきっかけが生まれます。
「どこから来たの?」「どこへ行くの?」「どうして来たの?」
一期一会のそんな些細な会話がとても楽しい。
それは一人旅の魅力のような気がします。

この日の夜は激しい雨が降りました。
これは、2日目のサイクリングはちょっとどうかなと思って目を覚ますと……


なんと利尻島の初冠雪。
えー! 寒いハズです。

フロントバッグには携帯用バックパックと登山地図、雨着、ライト、補給食、コンパスなどが仕込んである
実は、ほんの少し……利尻岳にも登りたいな、と思っていたのですが、
初冠雪の利尻岳に登るには装備が不十分。
代わりにポン山(441m)に登って、あとはのんびり島をサイクリングすることにしました。


登っている間は汗もにじむほどだったのですが、
山頂は吹き飛ばされそうなほどの強風。
寒すぎるので、山頂でのランチは次の機会にとっておくことに。

ポン山山頂にて
眺めも期待していましたが、利尻の山頂付近は雲で隠れてしまっていました。
後日、この日に登った方に出会ったのでお話を聞いたところ、
山頂付近は一部凍結していて、雹も降ったとのこと。寒いはずです。


麓はよく晴れていて、ほんの少し紅葉も。
ともあれ昨日、たっぷり利尻岳を眺めておくことができてよかった。


ランチは北海道に住む友人が教えてくれた『ラーメン味楽』へ。
このお店、ビジターセンターの職員さんも知っていて、
聞けば、14時でしまってしまうということ。ちょっと急がなくちゃ。

ラーメン味楽。魚介系の濃厚醤油味。ミシュランガイド北海道にも掲載されている有名店
ラーメン味楽に到着すると、ほどなくして雨が降り出しました。
今日は終日、晴れ予報ではあったのですが、島のお天気は変わりやすいですね。
お店で止むまで雨宿りをさせていただくことができて、ありがたかったです。

と、ここでひょんなことから同じように雨宿りをしていたドイツからの旅行者から、
「自転車道の入り口がわからない。知っていたら教えて欲しい」と声をかけられました。


宿に戻るために私も自転車道を通るので、案内をすることに。
なんだか不思議ですが、急きょ二人旅です。
そうそう。自転車道の入り口、どうしてわからないのかと思ったら、
アルファベットで「Jitensyado」って書いてあったんですよね。予想外すぎます。


レンタサイクルで島1週をするために利尻島にやってきたのだとか。
ステキなプランニングですね。ほんの少し旅のお手伝いができて嬉しかったです。


大の日本好きということで、これまで訪ねた日本各地の話を伺いながら、
賑やかにサイクリング。
思いがけない出会いがあるのも自転車ツーリングの醍醐味ですね。


島の公共温泉施設まで案内して別れ、私はもう少しプラリ。


一度、やってみたかったんです。こういう島から島へ渡るサイクリング。
3日目はフェリーで島から島へ。礼文島へと渡ります。

洋上から眺める利尻富士。島が海に浮かんでいるように見える





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